QRコード
QRCODE
庄内・村山・新庄・置賜の情報はコチラ!

山形情報ガイド・んだ!ブログ

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
げん
げん
山形県鶴岡市生まれ。
札幌、東京と移り住み、放浪の旅をへて
東北回帰~ 奥羽越(えみしの国)を拠点
に危なっかしくも面白く生きます。

スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2011年02月15日

いきなり大切な(爆)旧刊 紹介


先日、ご紹介した地元の新刊でありましたが
そういえば「わたしの一冊」の話だったので

「奥羽越現像 わたしの一冊」

を書き忘れたな、と 笑

でも、なんだろ?いろいろ大切な本はあるけど

現在の自分の根幹の部分を作ったといえる運命の書
・・といえば

『堕落論』 坂口安吾 (角川文庫)

かなあ。「日本文化史観」とか「青春論」(宮本武蔵につ
いて書いている。『五輪の書』を批判している)とか
「不良少年とキリスト」(親友・太宰治の自殺直後に書か
れた。彼を批判するようでいて真の愛すべき姿を暴く)な
ど何篇かのエッセイが載っていて、どれも高校生のわたし
には人生の指針を得るような衝撃でした。
何より安吾本人の生き様 20歳前後の苦悩とか、すごく
共感し影響されるところ大でした

しかし今回はこれとは別に、この一冊を紹介してみたい




これは1996年の刊行で、当時住んでいた東京の高円寺
いまはもうない書店で買った、旅行ガイドです。

96年というのは、何とわたしが初めて「岩手県遠野市」を
訪れた年。記念すべき(笑)東北回帰元年といえます。
同郷の作家・藤沢周平も書いていますが

「東北人なのに東北を全く知らない」

そんな自分に甚大な物足りなさを感じる わたしが当時、
何を考えていたのかは、正直憶えていないのですが
とにかくわたしはこの一冊を買って、自分が捨ててきたは
ずの東北という地に旅に出た。それ以前と、以後では、何
かが違う人間になる まさにその境目だった訳です。

それにしても、この東北ガイドの内容にはあらためて、驚か
されます。だいたい、旅行ガイドというものは、行き先の風
物や名店、グルメなどを網羅して終わりなのが現在も当た
り前ですが、これは全く趣を異にしています。

まず、ガイドを開いて最初の記事
「これまではとかく東北といえば 暗い 貧しい 寒い と
いった負のイメージがつきまとっていた」

「しかしその裏にはより強靭で、したたかでニヒルで、どこ
かユーモラスでさえある反骨が秘められている点を見逃す
ことはできない」

「東北という風土に育まれてきた人々の根幹を流れる心情
は、そこに生まれたことや住むことを嫌悪するとか、否定的
な生き様を好むとか、そんなやわなものではないという事だ」

なんだか、熱い(笑) さらに、歴史についても紹介し

「有史時代に入っても、東北は経済をコメに頼らず、金・銅・
鉄や馬をダイナミックに活用していた」

「多くの部族をひとつにまとめあげていたアテルイが、大和朝
廷に匹敵するほどの偉大な王であったことは、ほぼ疑いない」

  (注:偉大だった事は確かだと思うが「王」ではなかった
    と思う・・・)

「藤原氏はまた、蝦夷と京都藤原氏の両方の血を受けながら、
そのどちらにも与しなかった。土地から離れることなく民族が
平和的に独立する事は、現代社会が抱える最も大きな問題だ。
それを思うとき、平泉が描いた夢の大きさに圧倒されるのである」


・・・熱い 熱すぎる(爆 いったい、何なんだ この旅ガイド

今、こんなガイドどこにもないよ。 いや、実際いまの書店では
置いてないのだけど。
記述には正直、正確さを欠くところがあるけれど、これは明らかに
東北側の視点にたって作られている案内書であり、その土地を
より深く知るべきだという独自のコンセプトが伝わってきます。

実はこの『ひとり歩きの・・』シリーズは北海道から沖縄まで、各
地方にわたって同様に熱く掘り下げており、わたしは四国編も
買ったのだけど、高知地方が縄文の気質を強烈に残していて、
実は弘法大師・空海の出自が関東か北陸の蝦夷だったことなど
ほかのどのガイドに載っているでしょうか!?

ともかくも、果てしなく見知らぬ土地への想像力、憧れを喚起す
る力作であったことは確かです。

ところで、年末年始たてつづけに東京を旅した奥羽越現像
やっぱり東北の生活に疲れて東京が恋しくなったか?と疑われ
たりなんかしてますが 笑

逆です 北が、岩手や北海道がなつかしくなってしまいました(爆

と思ったところへ、おなじみTRAD♀さんから連絡
なんと、来月はじめ 一年振りに岩手県花巻市のアイリッシュパブ
『KEG』
にてライヴセッションをたちあげるというではないですか 感激・・・

という訳で、冬の北東北を愛でる旅その想い余っての紹介本でした。

  


Posted by げん at 15:43Comments(2)えみし気になる世界