2011年04月30日
SF小説 久々の出会い
震災後、庄内に滞在中に何冊かの本に出会った。
わたしの郷には、広大な田んぼの中の10万人いるかどうか
の小さな町 その中にも、小さな本屋が散在するばかりだが
本との出会いは、書店の大小にかかわらず むしろ小さな
本屋でこそ多く起こるような 印象がある。
今回も、仙台に戻る直前に この本を入手いたす
まず、表紙のデザインに惹きつけられた。
創元SF文庫 『時の娘』
時間移動・時間交流テーマを背景に語られる、様々な形の
恋愛短編集。10代の終わりの頃のわたしを『盗まれた街』で
夢中にさせたジャック・フィニィをはじめ、西洋の有名無名織り
交ぜた何通りもの才能と恋愛観(笑)の凝縮
恋愛に飢えているのか 爆
いやSFの世界でこそ、恋愛というこの厄介なものは輝くのだ
なぜだろう?SFというのは日常を揺るがし疑いを抱かせるもの
恋愛もまた、平安(=退屈?)な日常を打ち砕くものだからか
わたしにとって最も重要なSF小説のひとつである
『ハイブリッド・チャイルド』ほか大原まり子初中期の作品群も
先鋭的なSFながら強烈な恋愛物語でもあった。
登場する男女は外見的に美しくもなく 肉体も精神も崩壊して
しまっていたり、甘い時間のひとつもなくひたすら破滅的だったり
人間ですらなかったりするのだが だからこそなんというか
・・・つづくっ (こら