2013年04月08日
2013年04月08日
4月である
映画を2本、観る。
ともに、原作小説を持つ作品。
実は、両方とも小説から知ったのだが、どちらも読んでいない。
しかし、妙だがどちらも小説の表紙が好きなので、載せてみたい。
『わたしを離さないで』
1970~2000年代の、イングランド。内容は、極力書かないでおくが、
「こうなっていたかも知れない」パラレル・ワールド的な話と言おうか。
これ、スターウォーズじゃないけれど、絶対に「クローン戦争」に
発展するな~と思わせるのだが、本作の狙いはそういうところには
なくて、あくまで「彼ら」の青春、人生を淡々と描ききる。
『ウィンターズ・ボーン』
ものすごく好きな世界だな、と思った。
いまはアイルランド、スコットランドを愛する私だが、もと
もとは中学時代からアメリカの西部劇やカントリー音楽に
夢中だった。やはり、アメリカはある意味、原風景なのだ。
リアルな現代版「大草原の小さな家」というのか(爆)いや
それにしても過酷なアメリカ社会の現実なのだが・・
主人公リーを演じる女優さんは、どこか「大草原」のローラ
(メリッサ・ギルバート)に似ている 笑
しかしこれがほとんど劇中、笑顔というものを見せない。が
そこがまた、よかった。というか、登場人物全員が、子供たち
すらもちゃんと笑ってるカットがわずかなのがすごいのだが、
だからといって暗いだけじゃなくて、人の強さとか優しさ、
ユーモアがにじみ出ているのが何ともいえず、いい。
実は、この作品に惹かれた理由のひとつが、アメリカ南東部、
ミズーリ州オザーク高原に住むスコットランド系移民の子孫
「ヒルビリー」と呼ばれる人々を描いている点だった。
私はもちろん本国のスコットランドが好きなのだが、過酷な
祖国を脱出して新天地を目指したのに、結局移住先も過酷だっ
たという、スコットランドやアイルランドの人々の行く末も
気になってしまうのだ。(しかし一方で、アメリカの中華思想
ともいえる‘WASP’(ホワイト・アングロサクソン・プロテ
スタント)にはスコティッシュも入ったりするという・・この、
ケルトなんだかサクソンなんだか揺れてるスコティッシュが
つくづくエミシなんだかヤマトなんだかわからん東北人ぽい)
本作は、ニューヨーク大学出身の映画作家たちが作った独立系
の映画で、非ハリウッドの素朴さ、自由さと裏返しの真面目さ
がよく出ている。
女性がたくさん出ているのに、ほとんど全く色気がない(笑)
ところもなんか好感が持てた。
東京に住んでいた頃も、こうしたアメリカの地方を描いた映画
は観たが、やはり地方に住む現在の方が、登場人物の気持ち、
感覚がよくわかる気がする。
何か辛い事、酷い状況の中で生きている人が観たら、すごく
共感して、勇気づけられるんじゃないだろうか。実際、ある
意味わたしもそうだった。
ちなみに、新作のDVDには珍しく日本語吹き替え版は無し。
しかしかえって余計な事に気を囚われずに観れた。