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プロフィール
げん
げん
山形県鶴岡市生まれ。
札幌、東京と移り住み、放浪の旅をへて
東北回帰~ 奥羽越(えみしの国)を拠点
に危なっかしくも面白く生きます。

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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2018年05月11日

俺たちはSFの中にいる




『シェイプ・オブ・ウォーター』が自分としては今ひとつだったので
口直し・・じゃなくて何と言うか、挽回?の意味も込めて
『きみへの距離1万キロ』という映画、観てきた。

写真のように、なかなか良い「絵づら」をしている。
まず一画面で、観る前の人を惹きつける事は大事だ。

しかし!!この作品も、ダメだったのである!!!!!><

なにやってるんだ、むこうの映画界は・・・

『スターウォーズ エピソード8』
『シェイプ・オブ・・・』
に続き、まったくハズレ連発じゃないか
『シンゴジラ』以降、映画で感激した事、ないよ。
『いぬやしき』のほうがよっぽど面白そうなんだが・・
完全に、日本映画の時代じゃないのか、いまって

今回のは、カナダ映画だという。
カナダといえば、西海岸の都市、バンクーバーだ。
ここは、実に30年をかけて、ハリウッドからロケを誘致し
学校を作り、人を盗み、技術を盗み、金を引き込み、
文字通り映画の街となって活気付いている。
まったく、地方創生という奴の、理想形をやってのけたのだ。
しかし、なんだ今回の脚本は・・・
こんなんで、よく企画が通ったな?大丈夫か、カナダ!

話としては、アメリカでアフリカ北部の油田を、
遠隔操作のロボットを使って監視してる会社があって、
そこの社員の男の一人が、この油田付近の町の娘を、
ロボットのカメラ・アイごしに見つけて、恋をしてしまう。
ところが、この娘、町の古い因習で両親の命令(!)で
好きでもない男のもとへ嫁にやられそうになってるという・・
そいでまあ、地球の裏側に近い場所から遠隔操作男が、
奮闘するって感じなんですけど・・
あれっ普通に面白そうじゃない?と思うでしょう。
ところがね・・・あれっそれで終わり?いいの!?
という、何ともいえない後味に。もっとひねれよ!!

しかし、一応ネタばれはやめましょう。評価に絶対はない。
素晴らしい!と感じる人だって、いるかも知れないんだ。
今作、わたしの感覚として一番残念だったのは、
「SF的要素が強い内容なのに、全くSFではない」
というところなんだ。確かに、仕方がないのもある。
だって、遠隔操作のロボットなんて、もう実際にあるし。
スマホなんて、ひと昔まえはまさにSFのネタですよ。
SF作家・大原まり子が、80年代前半に既に言っている。
「SFはもう日常を侵食している。SFが書き難くなっている」
と。しかし、それに慣れてしまっては、ダメなんだ。
『シェイプ・オブ・・・』も、ファンタジー色濃厚な話なのに、
いまひとつ、ファンタジーになりきれていない。
SF的な日常に慣れすぎて、SF的な状況に気づかない。
ファンタジーも、リアルに描く事ばかり追究しすぎて、
見えないところを想像させよう、とするのを忘れている。

『いぬやしき』のスゴいところは、『ターミネーター』でもう
出尽くしただろう、と誰もが思ってた人間型ロボットネタを
「こんな手があったのか!!」と驚愕させるヒネりで、
持ってきたところ。それと、誰もが日常的に使っている
スマホを、思いがけない道具として描いて、あらためて
スマホという道具について、その普及した自分たちの
生活について考えさせるところ。これが、SFなんだな。
ヒネれば、SFに終わりはないし、いつまでだって、
その時代の人を ハッとさせてくれるのだ。

つい先日、『エマノン』シリーズの最新作が、出た。
『続々・さすらいエマノン』、漫画としては4冊目である。



もとは九州・熊本在住の作家・梶尾真治による連作小説だが、
鶴田謙二による漫画で、イメージが確定され名作の誉れ高いSFだ。

小説も実は近年、新作が出ているが、漫画版の鶴田は
極端な遅筆のため、なかなか新作が出ず、今回6年ぶり。
しかしその絵は伝説的なまでに魅力的で、待っていたファン
は多い。

エマノンは、九州を中心に世界中を「永遠に」さすらう女。
実は彼女、地球に生命が誕生した時の、あるひとつの生命体が、
世代を経て子孫を残し、進化していく中で 母から娘へ、
娘から孫娘へ、と記憶がすべて受け継がれてきた、という
世界唯一の特異体質。つまり、数億年の記憶の保持者なのだ。

描かれる風景、人物はほとんど全て、70年代~80年代の
なつかしい、嘗ての日常と、人々。
しかしその見えない背後に、途轍もないSF的要素が潜んでいる。
エマノンという存在に、生命の不思議さ、そして最終的に
「自分」という、人間の不思議さに気づかされる事になるのだ。
これぞ、究極の、SF。

なんか、日本礼賛みたいになってるけど
いや、欧米も、しっかりしてもらわないといけない(えらそう)