2018年09月12日
中二病について 爆 前編
ここしばらく、ネットカフェに行きますと読むのが楽しみだったのが、
押見修造の、『悪の華』です。
この漫画家は、むかし『漂流ネットカフェ』という作品で知っていましたが
最近、『ぼくは麻理のなか』という長編作品に触れて、嵌まってしまいました。
『ぼくは麻理のなか』は、その、何ともいえないキモいタイトル(爆)で
長い間敬遠していたのですが、あらすじとしては
ある、美しい女子高生・麻理をよく道で見かけてかわいいなと
思ってた大学出ながら無職の一人暮らし青年・小森が、
ある日突然、自分が他ならぬ「麻理」になっていた!!という・・
えーっと つまり20代の男が、10代の女の子になっていたと。
これはあの、少年と少女の心が入れ替わるという『転校生』に
似た話なのか?というと、どうも方向性はだいぶ違うようで・・・
入れ替わった訳でもない、「麻理」の意識はどこにいったか不明で、
しかも「小森」は「小森」で別にちゃんと生活しているという・・??
謎が謎を呼ぶ展開で、これに「麻理」というクラスでも人気の
美少女に、特別な思い入れを持つ同級生の内気な娘・依(より)
が麻理の異常に気づいて「なかにいる」小森の存在を知り、
二人はぶつかりあいながらも、ともに真相を究明していく!!
という話。これは一体、ファンタジーなのか?それとも・・・
で、これが非常に面白かったので、押見氏がこれより前に描いた
『悪の華』にも取り掛かった訳です。
この一巻目は、出版当時書店ではけっこうなインパクトでした。
なんとも、おだやかでない表紙ですけれども・・・
話は、群馬県の、ある山々に囲まれた小都市に住む、
これまた内気な中学生の少年・春日くんが
これまたクラス№1の美少女・佐伯さんの、
学校に忘れていった体操着を「出来心で!」
盗んでしまったところから展開いたします。
なんとそれをどういう訳か、
授業の時間に先生に向かって
『うるせー。クソムシが』
と無表情に暴言を吐く事で有名な?
「きらわれ少女」仲村さんに目撃されており!!!
何かにつけて「私の命令に従え。さもないと・・・」
と強要され、たちまち奴隷の日々に・・・
・・・・・というような、おはなしです。
まあ、とにかく押見修造という人は、内向的な作風なんですね。
しかし、わたしがこの作品に強く魅かれた理由が、
ボードレールの有名な詩集『悪の華』を読み耽るような
少年・春日くんの、そして
閉塞的な町の生活を嫌悪して、山の向こうの世界に飛び出す
事を夢想する少女・仲村さんの、
強烈な「中二病」的側面なのでした。
つづく~