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プロフィール
げん
げん
山形県鶴岡市生まれ。
札幌、東京と移り住み、放浪の旅をへて
東北回帰~ 奥羽越(えみしの国)を拠点
に危なっかしくも面白く生きます。

2016年03月25日

俺は東京で消耗していたか?


イケダハヤト氏の書いた新書
『まだ東京で消耗してるの?』(幻冬舎新書)
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20160303
↑こちらかなり参考になる書評ブログ

これも先日、盛岡の「さわや書店」(大通本店)で見つけた。
これはなかなか面白かった。
実はイケダ氏の事も、この「東京で消耗」の件も、ネット上の
彼のサイトを見かけて知ってはいたが、とにかく書き方の
歯切れがいい。自分の考え方に確固とした自信があって
ブレがなく、わざと皮肉や嫌味を効かせた強烈な「煽り口調」
も、同じ考えや感覚の人間にとっては痛快そのものである。

さわや書店さんは、平積みの本書の隣に

『東京一極集中が日本を救う』(市川宏雄 ディスカヴァー携書)

を置いていたのが、笑えたというか・・攻めるねえ!さわやさん

都市政策の重鎮が書いた本と、30歳になったか否かのイケダ
氏の書いた「消耗」のどちらがインパクト大か?そして実際の
説得力があるか?これは興味津々、実読しかない。

しかしもともとネット上でいわゆる「炎上」の火種になりがちである
というイケダ氏。
横浜で生まれ育ち、早稲田大学を出て大企業にも勤めたが辞め、
ベンチャー企業にも勤めたが辞めて妻子とともに高知県の田園
に移住。プロブロガーで生計を立て、ITジャーナリスト、ソーシャル
メディアマーケッターなど高知の山中にて事業を次々に展開・・・
という、とにかく只ならぬ人物。

本書でものっけから「東京はもう終わっている」その理由を並べ、
通勤電車など移動時間のばかばかしさ、35年ローンを組んで
都内に家を買うばかばかしさを軽快に笑い飛ばす。
「あなたが通勤地獄に苦しんでいるまさにその時、僕は
 田舎の静かな自宅でコーヒーを飲みながら優雅に効率的に
仕事していますよ・・・えっまだ東京で消耗してるの?」
と、こんな具合。地道に働いて暮らしている、膨大な東京の人々
これは腹も立ってくるよなあ、と思う。
氏の、アンチサラリーマン的な立場を如実に示すのがこちら
http://www.ikedahayato.com/20150908/41559313.html?utm_content=buffer84658&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
サラリーマンの書くブログは絶対つまらない。
それはブログはアートであり、退路を保って守りに入った人間の
アートなど、面白いはずがないからだ・・・
このあたり、日頃から「安定した職業を持った人間の書く小説など
ろくなもんじゃない」と嘯いてるわたしを正当化してくれるが(爆)

地方の田舎に移住した方が圧倒的に稼げるチャンスがある、と
氏は主張するのだが、それはあんたがネットの在宅仕事を得意
にしてるからだろ!とか、収入は東京にいた頃の3倍になったが
まだまだ稼ぎは膨らむってカネの話ばっかだな!とか批判が
相次いでいるようだ。

しかしこの独特の煽り口調は、これまでいかに長い年月
「東京でなければ生活が豊かにならない」という観念に
膨大な人々が縛られてきたか、そして東京・地方双方に
多大な歪みを引き起こしてきたか その国民的なストレス
を象徴する反動のようにも思える。 
「いいかげん気づけよ」という。
東京一極集中は是か非か・・とか、少子高齢化を何とかしなきゃ
とかクダ巻いているより、実際に地方は面白いんだから、実践
する主人公にさっさとなっちまえよ!という事なのだ。

地方には仕事がない 
地方には面白い人間がいない
そんなのは全くの虚妄、真っ赤なウソだとイケダ氏は断言する。
特に人間は地方の方が断然面白い、むしろ東京の面白い人間
を地方に呼んでしまえばいい、と言う。堀江貴史氏の引用で
「一流の人に会いたいという者は多いが、むしろ一流の人が
 向こうから会いたいと思わせる人間に自らなる方が近道だ」
というくだりは大きく頷ける点だった。

しかし・・・と、ここでわたし自身の実感を振り返るのだ。
東京一極集中は、他ならぬ自分の中で、いまだ健在である、と。
そう、アイルランド音楽のセッションというシーンにおいて。

日本での、アイルランドはじめとするケルト圏の音楽環境は、
やはり東京が圧倒的で、これは到底揺るぎそうもない。
わたし個人は再び東京の環境をうらやみ、刺激を求めて上京
するようになったが、地方の音楽仲間たちはまさに堀江氏が
いみじくも言ったように、この風土に根ざして東京の人間が
むしろ会いにきたがるような音楽家へなろうとしているのでは
ないのか?ではお前が地方に生きる意味とは何なのだ?

考えてみると、わたしは「東京に消耗して」、東北に回帰した
わけではなかった。東京での生活はむしろ自分に合っていた
のだが、東北に興味が沸きすぎた事、東京に生きる意味が
見出せなくなった事、その2点に尽きたのだった。
心は東北へ、しかし身体は東京を愛し続けている、という事か・・

それにしても、長年住み慣れた東京を離れ、自分の意志ひとつ
で縁のない地方都市へ移住するなど、相当のエネルギーを
必要としたはずだ・・と我ながら思い出して驚嘆する。
そう考えれば、自分もまた、既に実践者でありイケダ氏にも
先駆けていたのだ。今さら、何を悩む事があるだろうか?
全くのところ、道半ばではあるがな・・ははは。




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