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プロフィール
げん
げん
山形県鶴岡市生まれ。
札幌、東京と移り住み、放浪の旅をへて
東北回帰~ 奥羽越(えみしの国)を拠点
に危なっかしくも面白く生きます。

2016年04月10日

祝:受賞 ゴールデンカムイ




ある夜、岩手県は宮古市に住む、10歳ほど年下の
姉貴から(爆)驚きの報告がユーガット亜メールだった。

「ゴールデンカムイが漫画大賞だって!!」

なんという事だ!すばらしい!!

・・・って、自分の描いた作品じゃないのに何喜んでる
のかって?なんでTRAD♀さんからお知らせ来るのか
って?

つまりは、わたしがけっこう前からこの作品をブログ上
で紹介していたのを、TRAD♀さんが読んで下さって
いたのである。
このところ、実は北海道が舞台のマンガ作品が盛況だ
・・・って、業界の事は正直わからんのだが 笑
『僕だけがいない街』もそうだし、沙村広明の新作
『波よ聞いてくれ』も札幌のラジオの話だ。
北海道新幹線開通も重なって、北の大地への熱い
視線が熱線となり温暖化するのだろうか
(なにいってんだ)

それにしても、この作品がマンガ界のトップに君臨
した、というのはすごい事だ。いや、確かにわたしが
今読んでいる5、6本の作品の中でも自分の中での
総合得点はダントツで、当然の結果とは思えるのだが、
特に本作は他の北海道舞台のマンガとは違って、
単に北海道が舞台の話 ではないところがミソである。

つまり、ある意味「問題作」であるところが、受賞した
事の意味というか、重さを感じさせるのである。

『ゴールデンカムイ』(「カムイ」がいまだにひらがなから
普通に変換せず「課無為」とかになるのがもどかしい)
の人気の秘密は、多彩である。
まず、わたしは恥じなければならないのだが、手塚治虫
の『シュマリ』という作品を、未だに読破していない。
これは、はるか昔に手塚が「アイヌの国」舞台に描いた
先駆的作品であり、成功作とはいえないが『ゴールデン
カムイ』の作者・野田サトルにも多大な影響を与えた。
今作は、『シュマリ』と共通する、いくつもの要素を取り入
れながら現代の北海道民自身の価値観と問題意識で
全く新たな作品として再生させたものでもあるのだ。

主人公の、日露戦争帰りの元兵士の名は、なんと
野田サトル自身の曽祖父の名なのだという。
つまり、本作には北海道民としての実感だけでなく、
実際に肉親が日露戦争から生還した(ゆえに、今ここに
自分が生きている)という歴史学的・生命学的?実感
が込められている。文字通り、漫画家一世一代の、
命がけの一作という事なのである。

作風そのものにも、作家のセンスのよさ、狂気にも必ず
併走する良識というものを感じさせる。
巨大なヒグマが人間の顔の皮を爪で一気に剥がす、と
いうような残酷な場面もあるが、こうした場面は敵役への
因果応報のような形で起きる場合がほとんどで、読後の
後味は悪くない。愛や絆は確かに描かれるのに、性描写
はさっぱりとしていて、いい意味で避けられてもいる。

作者の興味の広さ、引き出しの多さも魅力だ。
柔道家は握手ひとつで相手の強さを感じ取るとか、独特
の耳の形になるとか、スポーツ好きならではの知識から、
競馬における騎手の乗り方とか、賭博の際の壷振りの
技術とか、さらには秋田マタギによる犬の服従させ方
講座、サッポロビールを作ったのは新政府軍の士官で
土方歳三が「くやしいが美味い」と言ったとか、とにかく
ネタが豊富で、飽きさせない。
それに加えて、過酷な状況、一寸先は闇、の世界を描
きながら、登場人物への愛とユーモアが決して失われる
事がないのである。。
そこが、何度も読みたいと思わせる、拡大してゆく人気
の秘密だろう、と思っている。

しかし、それら多彩な魅力を束ねる屋台骨ともいえる
作品の「芯」の部分こそが、『ゴールデンカムイ』を
「問題作」にしている所以なのだ。
本作は、『シュマリ』以上にアイヌ民族の世界に踏み
込んでいるが、アイヌを「帝国侵略」の被害者として
描写する事は、避けている。避けている代わりに、
「アイヌ民族を中心とした、北海道独立国」への想い
が、物語の軸となっているのが、読むうちに明らかに
なってくるのだ。
現実のいま、アイヌ民族否定論などが飛び出して
いまだに先住民族復権が阻まれる中、この作品は
「北海道の本質」
というものを誰が何と言おうと明確にするのである。

物語の結末が、どうなるか・・・そのヒントは、言うま
でもなく、現代の北海道の姿にあるだろう。
けれども、大切なのは、北海道という土地がどういう
場所で、自分たち道民とは何者なのか、を描き出す
事だ。アイヌを否定する事なく、自らが新たな時代の
アイヌとなる事。偽りなきアイデンティティを追求する
カギを渡せたなら、『ゴールデンカムイ』にできるのは
未来の世代に委ねる事だけである。

アイヌ民族否定、ヘイトスピーチ。政府は言論、報道
の自由を民衆から奪おうとし、いつかあった(そして
もしかすると未だあった事のない)悪夢の時代へ
列島を巻き込もうとするかのようだ。
そんな時代に、北方政権を夢見た土方歳三や、「北鎮
部隊」が北海道を帝国から奪取し独立を図る、という
マンガを描く事は、決して穏やかな事ではない。
これは、時代を超えた、権力への挑戦なのである。

一方で「東北の独立」を長年夢想してきたわたし(笑)
だが、ゆえに荒唐無稽な話でも、他人事でもなく、
勝手ながら同志・戦友のごとく見守りつつ、非才なが
ら自身の物語をも紡いでいかねばならぬ、と焦燥にも
駆られる昨今なのだった。






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この記事へのコメント
どうも、最近登場回数が多いお姉ちゃんです♪

(笑)

昨日コメント投稿したんだけど、送信ミスったっぽいのでもう一度・・・(-_-;)ヤバい、これげんさんと同じレベル・・・(笑)

ゴールデンカムイ、漫画大賞受賞の恩恵か、某有名検索サイトの電子書籍コーナーで1巻のみ無料閲覧できて読みました(@_@)
まず絵が丁寧。
人間の欲を描いてると思うんですが、時折混じるユーモアのお陰で重くなり過ぎない。
アシリパちゃん可愛い(≧▽≦)
げんさんがハマるのも分かるなぁと思いました(^_^)

なによりもこれをきっかけにアイヌ民族への理解が深まるといいですね~。
Posted by TRAD(♀) at 2016年04月15日 11:15
姉貴、アシリパちゃん知ってもらって嬉しいです!笑
2巻目からがいよいよ面白くなってくるので是非印刷版もよろしゅう(あゆみBooks青葉通店は古くからプッシュしてたので祝受賞のPOPが華やかです)
脇役だと思ってたキャラクターが上手い具合に絡んで時に主役を食ったりするのも魅力です。

食ったり といえば、ぜひ前沢SAでみそっこ胡瓜、さがしてみてね~ 爆
Posted by げんげん at 2016年04月15日 13:23
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