『アバター』の感想

げん

2012年02月18日 20:26


「ネタバレ」?あるかも

以前、劇場で話題の3Dで観た。
そのため、内容をよく憶えていなかった 爆
3Dがすごかったからではなく、目が疲れたからだ・・
今回、TVで放映されるという事で、いま一度観てみた。

さすが、ジェームズ・キャメロンは脚本の名手。
キャラクターの運び方、出番の作り方が抜群に上手い。
あの赤い翼竜みたいなの あれは思わず唸った。
ハリウッド的な脚本術 というのがあって、ちょっと定型
にハマりすぎてるかな とも思ったのだけど

キャメロンは、カリフォルニアの人だが、アイルランド系
らしい。『タイタニック』は言うまでもないが、出世作の
『ターミネーター』でも『エイリアン2』でも、主役級の人
物の名前をコナーとか、ジョーダンとか、さりげなくアイ
ルランド系にしていたりする。

今回も感じたのだが、異星の先住民ナビィ?はまるで
アメリカ先住民。アイルランド人はもともとイングランド
人に侵略・差別されて苦しんだ歴史があるのに、アメ
リカに渡ったとたん、一緒になって先住民を侵略して
しまった過去がある。スコットランド人も同じ。
これは日本でも東北人が大和人に侵略・差別されて
きたのに北海道渡ったとたんアイヌを侵略しだしたの
と同様な訳だが・・アイルランドと日本には共通点が
ある、などとよくいうけれど、こういう負の側面まで似
ているのだという事も忘れてはならないだろう。

ともあれ、キャメロンにはこうした侵略される痛みを
DNA的に持っていながら侵略してしまったという、
祖国の先住民に対する贖罪の意識があるのでは
ないかと、思ってしまったのだった。
(そういえば、よくこの映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
 と対比されるのだが、監督・主演のケヴィン・コスナ
 ーもアメリカ先住民とアイルランドの血を引いていた)

気になったのは、ナビィとは比較的、というかかなり
精神的・肉体的に人類と近くて、わかりあえたから
良かったのだけど、旧ソ連のSF作家 スタニスワフ・
レムが言ったように

「宇宙で出会う生物は全く理解不能、共通点皆無の
 種族である可能性がある」

もし今回の相手もそういった種族だったら、主人公は
彼らの尊厳を守っただろうか?と考えてしまった。

あと、キャメロンって監督は、「メシを食う」という事に
ほとんど興味がないのかなあ、といつも思う。
今回は、異星人との異文化交流というテーマなのに、
食文化に全然触れてないので、さすがに気になった。
宮崎アニメの影響をかなり受けてると聞いたし、むか
し貧乏で苦しんだ事も聞いていたのに意外なのであ
る・・・まあ、アメリカ人だからなのかな。


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