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プロフィール
げん
げん
山形県鶴岡市生まれ。
札幌、東京と移り住み、放浪の旅をへて
東北回帰~ 奥羽越(えみしの国)を拠点
に危なっかしくも面白く生きます。

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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2014年04月25日

東北に舵を切れ


新緑が急速に芽吹く杜の都を駆け抜け、久々に
あゆみ書房青葉通店に行くと、このようなハード
カバー小説が目に留まってしまった。



伊集院静、伊坂幸太郎(ともに仙台在住)の作品や
「東北学」関連、震災関連などが並ぶ云わば郷土関
係本の棚にあり、表紙を見ても明らかに東北ネタと
わかる。桜大満開の下を、メイド服の女の子が三味
線弾いている、というなかなかのインパクト。
3部作の完結編、との事で 主人公・相馬いと も高
校3年生になりました、という事なのだが、前2作は
全然知らなかった。祖母譲りの強烈な津軽弁、口下手
だが三味線を手にすれば一転して饒舌に・・・という
キャラクターらしい。
どうにも気になって手に取ると、どうもいとちゃん、
東京の大学へ進学を考えているようだ。

何でも、都市計画とか、環境工学とかの勉強がした
いのだが地元青森の大学には納得のいく学部がなく、
先輩のツテもあるので東京へ・・・という話になる。
何だよー仙台は完全スルーかよー と残念に思う(笑)
本を棚に戻そうとするも踏みとどまって更に立ち読み
をすすめる 爆 すると、驚きの展開に!

上京して、いくつかの大学の下見をするうちに東京の
空気、人、閉塞感でヘロヘロに疲弊させられ、青森行
きの新幹線に乗り込むも、なぜか仙台で途中下車。
ここで思いがけず東北の都市の爽やかな雰囲気で息を
吹き返し、予定外だった東北大学工学部訪問。実はい
とちゃん、先の大震災をきっかけに環境作りに目覚め
たらしいのだが、ここの学生たちの親身さに加え、ま
さに自分が目指す災害への取り組み、地元再生への共
通認識を得て「この大学さ入りで。」進路を仙台に切
り替える事になる。

作者の越谷オサム氏はほぼ私と同年代。東京出身なの
だが、青森の女の子が東京ではなく仙台に舵を切る、
という展開は素直に嬉しかった。別に県外へ出るには
違いないのだし、東京だからって敏感になり過ぎでは
ないのか?と言われそうだけれども、最近、東京オリ
ンピックの事もあり、何かというと東京、東京という
話になって地方なかんずく東北は大丈夫なのか ない
がしろにされるのではないのか されたとして独力で
立ち上がれるのか などと不安が大きくなっている。
自分の生活の心配をしろ、と言われそうだが(爆)、
わたしもまた今後の仕事次第では再び東京へ向かわざ
るを得なくなるのではないか、と思いさえするのだ。 

過去、東京で出会ってきた東北出身者を思い出しても、
東京から最も遠い、青森の若者が東京に行ってしまうと、
ある意味その人が完全に東北から切り離されてしまう確
率は高い、と思われる。今までどれだけの人にとって、
地方が故郷という名の、過去の遺物となってきた事だろ
うか。けれども、仙台ならばいつでも青森につながる事
ができ、同じ地域に住んでいる、という精神的基盤も保
つ事ができる これも住んでいて実感する事だ。
そう考えると、東北人にとっての仙台という場所の重要
性があらためてわかるし、やはり地方地方、東北ならば
東北に若者たちの学べる場所など「必要な場」がある事
の大切さが身に沁みてくる。もし仙台に映画が学べる学
校や撮影所などの雇用の場があれば、わたしも東京へ行
かなかったかも知れないのだ(わたしの上京後にできた
山形の芸術大学に東北全土の若者が集まってくる事を思
えば、その存在意義は計り知れない)

わたしがわざわざ住み慣れた東京を離れ仙台に移ったの
は、自分の中にどうにも動かし難い信念のようなもの
ーこれからの東北人は、東北に住まなければならないー
が形成されて、これに逆らう事ができなくなったからだ
った。様々な事情で東北を離れている人々が大勢存在す
るのを承知で、わたしは敢えて主張していきたいと思う。

もうひとつ、思い浮かんだ事があった。
相馬いとちゃんは、仙台で学んだ後は、必ず青森に帰っ
て地元のために生きる、と誓う。
そこでわたしが思い浮かべてしまうのは、先日北海道の
函館市との衝突で話題になった、原発建設を尚も続行し
ようとする大間町など、青森県に根強い原発推進の気質
である。
海を隔てているとはいえ、紛れもなく隣接地である函館
への配慮のなさはまさに論外だが、これはもはや青森県
だけの問題ではなく、東北全体で行動を起こさねばなら
ない、東北の「国難」だとわたしは思っている。
今こそ、東北は一枚岩とならねばならない。
ヤマトの現政権がいかに原発を愛そうとも
東北だけは違う道を示すのだ。

そうでなければ、いとちゃんのような若者の志も、全て
空しくなってしまうに違いない。



(後記:勘違い箇所がいくつか判明・・
    @仙台、東北大訪問は予定に入ってたみたい
     しかし東京で疲れて、やめかけた。
    @都市環境工学を目指すきっかけは震災では
     なく、青森を活気づけたい、という事から。
    立ち読みなもんでいいかげんな脳内補完して
    るんだね。しかし素直にこの本、欲しいな。


      


Posted by げん at 16:53Comments(0)えみし気になる世界